宮古上布・琉球染織
染色作業工程
宮古上布といえば、かつて黒水晶のようだと称えられ、紺碧の海を思わせるかのような美しい紺色地の色が特徴ですが、
その色は主に琉球藍による藍染めから生み出されます。
琉球藍とは、沖縄の代表的な染料でキツネノマゴ科に属する低木状の多年草で、藍染めではその葉を泥状にした「泥藍」を使用します。
藍建て
藍はそのまま染色することは出来ないので、藍建てという作業をしなければなりません。
まず、水をはった大型のポリ容器に泥状になった琉球藍を入れ、苛性ソーダや泡盛、黒糖、
色に深みを出すタデアイの玉2個を入れて毎日かき混ぜます。
泡盛や黒糖は、醗酵を助ける役割をします。
春から夏の暑い頃には1週間ほど、冬には3週間ほどで醗酵して緑色になり
染色が出来る状態になります。
よく建った藍は藍の花と呼ばれる泡がたくさん出ます。
染色回数が増えると色素が減り、だんだんと泡が減っていってしまうので、
まだ新たに藍建てを行います。
藍建て作業工程
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藍建て作業工程藍建て作業工程藍建て作業工程藍建て作業工程
藍染め
機締めでむしろ状にしたものを染料の入った容器に入れて、
手でよくもんで染色していきます。
このとき染色力の弱いものから強いもの、
つまり古い染料から新しい染料へと染めていきます。
これは、発色をよくするためと染めムラを防ぐためです。
2時間ほどもみこんだら取り出し、よく絞り、天日に4~5時間ほど干します。
そしてまた染色を数十回も繰り返し、染め出していきます。
この繰り返しの丁寧な作業によって、黒に近い藍色に染まり、
何度洗濯しても退色することなく、かえって藍色が冴えて一層の涼感を与えてくれるのです。
藍染め作業工程
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藍染め作業工程藍染め作業工程藍染め作業工程藍染め作業工程藍染め作業工程藍染め作業工程藍染め作業工程藍染め作業工程藍染め作業工程藍染め作業工程
藍染め作業工程
沖縄は亜熱帯地に位置して、植物染料の宝庫でもあります。
現在、宮古上布染色は藍が代表的ですが、その他にも古くから土地にある草木で染めることもあります。
それらは植物染料と呼ばれ、野山に野生している野生種を採取したり、または直接栽培されたりして利用されています。
草木染めの工程は代表的な藍染めの工程とは全く異なり、それぞれの草木によっても違ってくるので、ここでは一般的な染色植物の紹介だけにさせていただきます。
ガジュマル(榕樹)―ピンク系
科名/クワ科  学名/Ficus retusa
インドから東南アジア、日本では種子島、屋久島、琉球諸島に自生します。
正式な由来は分かりませんが、ガジュマルという名前は沖縄の方言だそうです。
ガジュマルは幹や枝から多くの気根を出し、地面に着くとやがて太い支持根になり、
他の植物を巻き込んで絞め殺すこともあるようです。
真っ赤な髪で子共の姿をしたギジムナーという精霊が棲むといわれています。
ガジュマル
ゲッキツ ゲッキツ(月橘)―黄色系
科名/ミカン科  学名/Murraya paniculate
奄美大島や、沖縄、東南アジアにかけ野生します。花はミカンなどに似て白く、夏に開花
しジャスミンに似た芳香を放ちます。月橘の名は花が、月夜に柑橘の香りが強く香るため
といわれています。人家の生け垣にしている場合が多く、白い花は甘い香りがします。
ゲットウ(月桃)―ピンク系
科名/ショウガ科  学名/Alpinia speciosa
日本の九州南部から台湾、中国南部それに熱帯アジアに分布しています。
葉の成分には、防虫・防菌・防カビなどの効果があり、沖縄では芳香のあるゲットウの
葉で食べ物を包んだり、葉鞘を縄や網、編み細工などに加工したりするそうです。
初夏に花を咲かせますが、花はつきにくいです。
ゲットウ
シャリンバイ シャリンバイ(車輪梅)―茶系
科名/バラ科  学名/Rhaphiolepis indica
日本の東北地方、韓国、台湾までの海岸近くに野生し、また栽培されることも多い植物です。
上からは葉が車輪状に見え、花が梅に似ていることが「車輪梅」の名前の由来となっています。
乾燥や大気汚染に強いことから道路の植え込みや生け垣によく使われます。
芭蕉布や、大島紬の顔料に使われております。
フクギ(福木)―黄色系
科名/オトギリソウ科  学名/Garcinia subelliptica
台湾からフィリピンが原産で、沖縄では古くから集落や家の周りに暴風垣向きの植物として、
積極的に植えられてきたといわれています。幹は直立し、高さは20メートルほどになります。
柿に似た丸くてオレンジ色の実をつけ、その実はオオコウモリが食べるそうです。
フクギ
モクマオウ モクマオウ(木麻黄)―黄系
科名/モクマオウ科  学名/Casuanina equisetifolia J. R. et J. G. Forst
オーストラリアの南東部から西部など、西オーストラリア州に分布していますが、
潮風や大気汚染に強く、成長も早いことから、暖かい地方では実用的に使えるそうです。海沿いから内陸の砂礫地に生え、高さは5~8メートルになります。
ソウシジュ(相思樹)―茶系
科名/マメ科  学名/Acacia confuse
フィリピンが原産と言われる常緑の亜高木で、高さは5~8メートルくらいになります。
葉のように見えるのは派の付け根(葉柄)で、花は黄色で多少芳香があります。
大木になり4月には石垣島、宮古島の沿岸道路を飾りますが、地元の人の話では
この木の花がたくさん咲く年は台風が多く来ると言われているそうです。
幹や葉からとてもよい香りを発します。
ソウシジュ
センダングサ センダングサ(栴檀草)―茶系
科名/キク科  学名/Bidens biternata
葉が樹木のセンダンの葉に似ていることからこの名前がつけられたそうです。
やや湿っぽい道端や、河原などに生える1年草で、アジアやアフリカ、オーストラリアな
どの熱帯~暖帯に広く分布しています。
高さは30cm~150cmになります。
茎上部の枝先に経約1cmの黄色い頭花をつけます。先端に下向きのカギ状の剛毛の生えた
トゲが3~4本あって、服に付着します。
タイワンレンギョ(台湾レンギョ)―緑系
科名/クマツヅラ科  学名/Duranta erecta
藤の花のように房状に紫の花が咲きます。タイワンレンギョは剪定に強く、
緑が鮮やかなので、生け垣等によく使われています。成長が早いこともあり、
きれいに整えられた生垣などは、夏場特に頻繁な手入れが必要となります。
花が咲き終わったあとには、黄金色のかわいい実がたくさんつきます。
台湾レンギョ
道具 糸づくり 図案 染色 製織 砧打ち
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